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石川欽一郎と陳植棋

古書の市場で「石川滋彦旧蔵資料」と書かれた出品物を目にした。資料と言ってもバッハやショパンの洋書の楽譜と一緒に一冊のアルバムがあるだけのものだった。アルバムを開いてみると父親である石川欽一郎が写る写真が多数貼り込んである。「これは絶対に欲しい!」と心中では興奮しながらも、落札できるかどうかヒヤヒヤしていた。結果は私一人が興奮していたようで下札(一番安い入札金額)で落札された。今さら言うまでもないが、滋彦の父石川欽一郎は台湾洋画史を語る上で欠かすことのできない人物で、第一世代の台湾画家たちの啓蒙者である。画像はそのアルバムからの一枚で、前列の黒い蝶ネクタイの人物が石川欽一郎、その右の浅黒く面長の人物は台湾洋画を代表する画家、陳植棋である。場所はおそらく台湾のどこかだろう。左の人物は倪蒋懐、右端は藍蔭鼎にも見えるが判然としない。石川を囲む食事会のような雰囲気が感じられるこの写真は何時撮られたのだろうか。陳植棋は東京美術学校留学・卒業後、1931年に台湾で早逝する。石川は24~32年は台北師範学校へ勤務している。テーブルを囲み何が話されたのか・・・興味が尽きない。
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